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診療部・技術部のご紹介

消化器内科

腹痛、胸やけ、嘔気・嘔吐、食欲不振、血便(便に血が混じる)、黒色便(便が黒い)、便通異常(便秘、下痢、便秘と下痢の繰り返し)、便が細いなどの症状がある時に、消化器内科の受診をおすすめします。

診療体制

診療日
                               
 
211 午前 吉安(孝) 板東 吉安(孝) 荻巣
午後14時~
消化器担当医
14時~
消化器担当医
14時~
消化器担当医
14時~
板東
14時~
消化器担当医
212 午前船津荻巣鍋嶋船津鍋嶋
午後15時~
(完全予約制)
大野(甲状腺)
14時~16時
荻巣
14時~16時
鍋嶋
14時~16時
船津
担当医
  • 消化器内視鏡センター長:船津 英司
  • 医長:荻巣 恭平
  • 医員:鍋嶋 克敏
  • 医員:吉安 孝介
  • 医員:板東 正貴
資格
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本内科学会認定教育施設指導医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
  • 日本人間ドック学会認定医
  • 日本肝臓学会認定肝臓専門医

消化器疾患と症状

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

 胃や十二指腸の壁の粘膜がさまざまな原因によって傷つき、粘膜損傷をきたした状態を「潰瘍」といいます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因としては、古くはストレス、暴飲暴食、鎮痛剤などの薬剤によるものが考えられてきましたが、現在では胃に感染したヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobactor Pylori)がほとんどの原因とされています。症状としては、みぞおちの痛み、吐き気、胸やけなどがあり、潰瘍部位から出血することで吐血や黒色便(タール便)を認めることがあります。潰瘍を放置しておくと潰瘍がさらに深くなり、胃や十二指腸の壁に孔があく消化管穿孔をきたし、重症な穿孔性腹膜炎となるため、速やかな診断と治療が必要です。潰瘍の診断には内視鏡検査もしくは胃透視検査(バリウム検査)がありますが、潰瘍の存在診断だけでなく潰瘍の良悪性を判断するための粘膜生検やピロリ菌検査が可能な内視鏡検査がより優れています。治療は制酸剤や粘膜保護剤の内服加療による外来通院加療で根治可能ですが、潰瘍から出血する可能性が高いと診断した場合や止血処置を行った場合は入院での加療が必要となります。潰瘍治療に引き続き、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法を行っていきます。

逆流性食道炎

 胃液が食道に逆流することにより、胸焼けやみぞおちの痛みだけでなく、喉の違和感や、しつこい咳の原因となることもあります。上部消化管内視鏡検査で酸逆流の程度や逆流の原因の診断が必要となります。慢性的な食道の炎症は胃食道接合部のバレット癌を引き起こす危険もあります。治療の基本として日常生活動作の改善が必要です。具体的には、食事は腹八分目とする、食後腹部を圧迫しない、食後30分は横にならない、就眠時は頭を腹より高くする、アルコールや炭酸飲料の過度の摂取を控えるなどの注意が必要です。軽症の場合は日常生活動作を見直すことで症状が改善する場合も多いです。軽症であっても症状が強い方や中等症以上の方には、内視鏡所見と問診により制酸剤、胃腸運動機能改善剤および粘膜保護剤などを用いて適切な治療を行います。

胃癌

 日本人の死因となる代表的な悪性腫瘍でしたが、検診や内視鏡検査の普及により早期の段階で発見される場合も多く、また進行した病態でも外科手術や抗がん剤治療の発達により治療予後が改善しています。早期癌に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っており、進行癌と診断された患者様に対しては外科手術および抗がん剤治療を行っています。外科手術に関しては、当院では腹腔鏡手術を積極的に行っており、手術創が小さくすむだけでなく入院期間も短くなり、患者様の負担が最小限になるよう努力しています。

大腸癌および大腸ポリープ

 大腸癌は癌による死因として日本では肺癌についで第2位となっており、女性に関しては死因第1位であり、年々大腸癌患者さんは増えています。症状としては、腹痛や出血、便秘や下痢、便が細くなる、残便感などがあります。ただし早期大腸癌や大腸ポリープのほとんどは症状がなく、検診での便潜血反応を指摘され検査を行った場合に見つかることがほとんどで、便潜血反応が陰性でも病期がある場合もあります。症状は腫瘍が大きくなってから出てくることが多いため、早期の腫瘍を見つけるためには症状がない段階で大腸検査を受けることが重要です。大腸の検査には注腸検査(バリウム)と内視鏡検査があります。いずれの検査も検査前に下剤を服用する必要があります。注腸検査は内視鏡検査に比べて苦痛が少ないとされていますが、レントゲン検査台の上で体位変換を頻回に行う必要があります。また検査自体はレントゲン撮影を行うのみですので組織検査は不可能です。それに対して、内視鏡検査は直接腸管内を観察するため、詳細な観察・診断が可能であり、また病変の一部を採取する組織検査が可能です。また検査中にポリープが見つかった場合には、ポリープの種類・サイズによっては検査中に切除することが可能です。基本的には検査後の入院の必要はありませんが、食事療法や飲酒制限、日常生活上の注意事項がありますので、担当医および看護師からの指示に従っていただく必要があります。

炎症性腸疾患

 潰瘍性大腸炎とクローン病が代表です。もともと若い人に発症する病気でしたが、最近は中高年になってから潰瘍性大腸炎を発症する方も増えています。診断は、血液検査や内視鏡検査による病状診断を行い、ガイドラインに準じた内服治療(各種5-ASA製剤やステロイド・免疫抑制剤)や点滴治療を行っていきます。

過敏性腸症候群

 ポリープや潰瘍などといった腸管の形態変化を伴う病気ではなく、腸管の働きや動きに異常をきたす機能性胃腸障害とされる疾患です。内視鏡検査・レントゲン検査などの各種画像検査にて形態学的異常(器質的異常)がないことを確認したうえで、詳細な問診・診察を行って診断する必要があります。症状は、下痢、便秘、あるいは便秘と下痢を交互に繰りかえすことが多く、また腹痛を伴うことも少なくありません。治療は内服治療が主体ですが、患者さんの症状だけでなく生活スタイルや職業・生活環境などを考慮しながら治療を行っていきます。

慢性肝炎

 古くからB型肝炎・C型肝炎という肝炎ウィルスによるものや、アルコール性肝障害が知られていますが、最近では非アルコール性脂肪肝といった疾患も増えてきています。慢性肝炎を放置していると、肝硬変・肝不全といった肝臓が機能しないような状態になったり、肝臓癌を発症したりすることがあります。いずれの肝疾患も初期段階では自覚症状に乏しく、健診などの血液検査で肝障害を指摘されて受診されることが多いです。しかし症状がないために定期的な検査を受けずに放置され、症状が出てきて初めて受診されることも多く、中には受診時にすでに肝硬変となっていたり、肝癌を認めたりする場合もあります。ウィルス性肝炎に関しては、これまで主流とされていたインターフェロン療法に代わり、B型肝炎に対する核酸アナログ製剤やC型肝炎に対する直接作用型抗ウィルス剤(DAAs:Direct Acting Antivirals)によるインターフェロンフリー治療を行っており、特にC型肝炎ウィルスに関しては完治が望めます。

肝癌

 肝臓癌の診断には造影エコー検査やCT・MRI検査を行い、外科治療やカテーテル治療(TACE:肝動脈塞栓化学療法)やラジオ波焼灼療法(RFA)を行っています。

総胆管結石症

 胆嚢内の結石が胆嚢から総胆管内に移動したものをいいますが、胆嚢摘出後にも総胆管内で自然発生する場合もあります。結石が総胆管と十二指腸の合流部である十二指腸乳頭部付近で詰まってしまうと、腹痛・発熱をきたし、時には皮膚や目の色が黄色くなる黄疸をきたすこともあります。結石が詰まった状態で放置しておくと数日で全身状態が悪くなり、時には十二指腸乳頭部を共有している膵臓の炎症を伴い重篤化する恐れがあります。診断には、外来で可能なCT検査やMRCP検査、入院して行う内視鏡的胆管膵管造影検査(ERCP)があります。ERCPは内視鏡を口から十二指腸まで挿入したうえで、内視鏡からカテーテルを十二指腸乳頭部から胆管内に挿入し胆管造影を行います。そのうえで十二指腸乳頭括約筋切開術(EST)や十二指腸乳頭括約筋バルーン拡張術(EPBD)を行ったのち、胆管内の結石を除去します。内視鏡処置が困難な場合には、体表から胆管の処置を行う経皮経肝的胆管ドレナージ術(PTCD)を行うこともあります。

急性膵炎・慢性膵炎

 上に示した総胆管結石やアルコール多飲が原因となって膵臓に炎症を生じるのが急性膵炎および慢性膵炎です。血液検査に加えてCT検査・MRI検査・内視鏡検査などの各種画像検査により原因と病態を把握し、膵臓の炎症を抑える治療を行うとともに、原因に対する治療を合わせて行っていきます。

胆道癌・膵臓癌

 胆道癌および膵臓癌は、日本における癌による死因のなかでも増えてきている悪性疾患で、特に膵臓癌は日本全体で癌による死因の第4位となっています。症状に乏しいため診断時にはかなり進行した状態で見つかることが多いのが現状です。また膵臓癌への進展の可能性があるとされている膵管内乳頭状粘液産生性腫瘍(IPMN)に対しても、ガイドラインに沿った適切な診断および治療を行っています。当院では胆道癌・膵臓癌の発生のリスクが高いとされている慢性膵炎、糖尿病、IPMNなどの患者さんや、エコーやCTなどで膵管拡張・嚢胞を指摘された方や血液検査で膵酵素異常を指摘された方に対して積極的なスクリーニング検査を行い、早期発見に努めています。

内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査、大腸内視鏡検査、小腸内視鏡検査)

上部消化管内視鏡検査

 一般に胃カメラ検査といわれる検査で、喉の麻酔を行ったのち、口から胃に内視鏡(スコープ)を挿入し、咽頭・食道・胃・十二指腸を観察します。口からの挿入をする通常の経口内視鏡検査以外に、口径が細いスコープを鼻から挿入する経鼻内視鏡検査も行っています。経鼻スコープは経口スコープに比べて、スコープ径が細いため咽頭の苦痛や嘔吐反射が少ないとされています。ただスコープ径が細いため内視鏡に搭載されているCCDカメラも小さくなるため画質が悪いことや止血処置などの各種処置具が使えないことが欠点です。またどうしても内視鏡検査が苦手という方には、鎮静剤を使用して眠っている間に検査を受けていただくセデーション検査(鎮静下検査)も行っています。セデーション検査は、鎮静剤の副作用である呼吸抑制・血圧低下に注意しながら行いますが、鎮静効果が覚めるまで検査後1時間程度休んでから帰宅していただきます。セデーション検査当日は自転車および自動車の運転ができないため電車などの交通機関を利用していただく必要があります。鎮静が覚めてからもふらつく場合があるので、特に高齢の患者さんの場合は付き添いがおられるほうが望ましいです。

 上部消化管内視鏡検査は検査前日の夜9時以降から検査当日まで絶食が必要となります。検査当日は絶食となるため、検査は午前中に行っています。検査は基本的には予約検査となり、一度外来診察を受けていただいたうえで、医師が必要と判断した際に検査予約を行います。ただし、当日絶食で11時までに来院していただければ当日の検査にも対応していますが、当日の検査件数や状況により対応できない場合もあることをご了承ください。

大腸内視鏡検査

 検査前日および検査当日に当院指定の下剤を服用していただき(大腸前処置)、肛門から内視鏡を挿入し大腸全体を観察します。外来にて医師の診察後、大腸内視鏡検査の予約を行い大腸前処置用の下剤を処方いたします。検査前日からの前処置が必要となるため予約検査となりますが、下血・血便により当日の検査を医師が必要と判断した場合は、簡易の前処置により全大腸の半分程度となるS状結腸までの観察を行うS状結腸内視鏡検査も行っています。

小腸内視鏡検査・カプセル内視鏡

 炎症性腸疾患の診断や、原因不明の消化管出血の小腸精査のために、小腸内視鏡検査を行っています。前処置の必要性や検査時間の調整が必要となることもあり、完全予約検査としています。また小腸疾患のスクリーニングとしてカプセル内視鏡検査も行っています。

超音波内視鏡検査(EUS)

 通常の内視鏡観察では食道・胃・大腸の粘膜の変化を肉眼的に捉え、腫瘍の存在診断から良悪性の診断を行っていますが、腫瘍性病変の拡がりを正確に診断することはなかなか困難であり、それを可能にするのが超音波内視鏡検査です。超音波内視鏡検査では、腸管の壁の厚みや腫瘍の拡がりを診断できるだけでなく、腸管外の腫瘍(たとえば膵腫瘍、胆道腫瘍)などの詳細な診断も可能です。消化管早期癌に対して内視鏡的切除が可能かどうかの診断を行っております。また各種胆道疾患や膵疾患のスクリーニング検査としても有用であり、超音波観察だけでなく腫瘍に針を刺して細胞採取を行う超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)も行っています。超音波内視鏡は診断検査として有用なだけでなく、各種胆道ドレナージ・膵嚢胞ドレナージといった治療にも活用しています。超音波内視鏡検査はいずれも通常内視鏡検査より検査時間が長く、また特殊な内視鏡を使用するため、検査は必ずセデーション(鎮静剤)を使用して行います。

消化器内視鏡部門

消化器内視鏡センター消化器内視鏡センター

消化管悪性腫瘍に対する治療

 早期の消化管悪性腫瘍に対しては、超音波内視鏡検査(EUS)および狭帯域光観察(Narrow Band Imaging:NBI)・拡大内視鏡観察にて深達度診断を行います。深達度診断およびCT検査などの他画像診断を踏まえて総合的に内視鏡的切除の適応を診断し、内視鏡的切除の適応と診断した場合は内視鏡的粘膜切開剥離術(ESD)やスネアを用いたストリップバイオプシー法による内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行います。術直後は絶食管理が必要となるため入院での治療となります。術後の経過により段階的に食事を開始していきます。1週間前後で退院となり、外来にて切除病変の病理診断結果の説明を行います。

 内視鏡治療の適応がなく外科的治療の適応がある場合は、外科医師に紹介のうえ腹腔鏡手術や開腹手術を行います。残念ながら他臓器への転移が認められる場合や本人が外科的治療を希望されない場合は抗がん剤を用いた化学療法を行います。

 また腫瘍の進行に伴い消化管狭窄や消化管閉塞をきたし食事が摂れなくなる場合があります。その場合は、消化管の通過障害を改善するためバイパス手術などの外科的治療を行うこともありますが、全身状態が悪く手術が受けられない患者さんや少しでも早く退院して元の生活に戻りたいと希望される患者さんに対しては内視鏡的消化管ステント留置術も行っています。

胆道・膵疾患の検査・処置

 胆道・膵疾患の精密検査には、①CT検査やMRI検査、②腹部超音波検査(エコー検査:US)、③超音波内視鏡検査(EUS)および④内視鏡的胆管膵管造影検査(ERCP)があります。このうちCT・MRI・エコー検査は患者さんに対する侵襲も少ないため、スクリーニングや精密検査として第一に行われることが多い検査です。超音波内視鏡検査も外来で行いますが、検査の適応と具体的な方法について消化器科医師より説明のうえ行います。ERCPは診断だけでなく、胆道・膵臓の処置も併せて行うことが多いため、必ず入院のうえ行う必要があります。当院では十二指腸乳頭括約筋切開術(EST)や十二指腸乳頭括約筋バルーン拡張術(EPBD)を用いた胆管結石の除去、胆膵悪性疾患に対する各種細胞診・穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)、胆道悪性腫瘍に対する内視鏡的胆管ドレナージ(EBD)や金属ステント留置術(EMS)、胆石および膵石に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、消化管術後の患者さんの胆膵処置(経皮経肝的胆道ドレナージ:PTCD,PTGBD、ダブルバルーン内視鏡を用いた胆道処置)など、さまざまな胆膵疾患に対する診断・治療を行っています。

千船病院消化器内科の実績
上部内視鏡実績
2015年度
上部消化管内視鏡検査総数
2,823
 超音波内視鏡
163
 ポリープ切除
0
 切開剥離術(ESD)
18
 内視鏡的止血術
55
 食道静脈瘤治療
28
 胃瘻造設
48
下部内視鏡実績
2015年度
下部消化管内視鏡検査総数
1,312
 超音波内視鏡
5
 ポリープ切除
268
 切開剥離術(ESD)
0
 内視鏡的止血術
16
胆管膵管系検査治療実績
2015年度
胆膵関連検査総数
261
 ERCP/ERCP+IDUS
41
 EST+結石除去
80
 ERBD/EMS
105
 PTCD
1
 PTGBA/PTGBD
34