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診療部 ― 婦人科

婦人科ロボット手術外来

ロボット手術症例見学施設(メンターサイト)に認定

当院婦人科主任部長の大木規義医師は、婦人科領域のロボット手術における指導医(プロクター)に認定されております。 2022年12月、千船病院は全国12番目のロボット手術症例見学施設(メンターサイト)として、米国インテュイティブ・サージカル社から認定を受けました。

本認定は、当院婦人科で行われているロボット手術の手技や実績が高く評価されたものであり、今後もロボット手術の教育施設として全国の医師の指導・育成にあたるとともに、より多くの患者さまに安全なロボット手術を受けていただけるよう、ロボット低侵襲手術の普及に尽力して参ります。

大木医師から松本医師への認定書授与および認定書

婦人科ロボット手術外来

ダヴィンチは高度なロボット工学技術を駆使した、最先端の手術支援ロボットです。8mmの小さな孔に内視鏡カメラとロボットアームを挿入し、非常に繊細で緻密な内視鏡手術手技を実現します。術者は3Dモニター画面を見ながら、あたかも術野に手を入れているような感覚で手術を行います。高解像度の拡大3D映像をもとに、手ブレのない手術手技が可能であるため、「人間の目と手の限界を超えた手術であり、現時点で最高レベルの低侵襲手術」と言えます。傷が小さいため術後の痛みが少なく、早期離床が可能で、社会復帰が早い特徴があります。

千船病院は、第4世代と言われる最新モデルのダヴィンチXiを導入しており、婦人科領域のロボット手術に積極的に取り組んできました。2018年より子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸部異形成などの良性腫瘍に対する子宮全摘術を開始しており、2021年より骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱、直腸脱)に対する仙骨腟固定術を行っています。

ロボット手術の特長

  • 1身体への負担が少ない

    開腹術とロボット⼿術の傷を⽐較した図⽰

    ロボット手術は、「患者さんの体に優しい低侵襲手術」と言えます。
    まず傷は4-5カ所の8mmの小さい傷なので、術後の痛みが少なく、手術の翌日には歩くことが可能です。翌日にシャワーを浴びて頂くことも珍しくありません。早期離床は「腸閉塞」や「血栓症」の予防に、シャワーは「感染症」の予防に有効です。もちろん早期退院を推奨しており、患者様からは「びっくりするほど早く、自由に動けるようになって満足。」「術後1週間で仕事復帰できた。身体への負担の少なさを実感する。」などの感想を数多くいただいています。

  • 2高画質の3D画像

    – 両眼視による立体的な視野(3D)

    高画質3Dカメラで、10-15倍の拡大視野で手術します。髪の毛を、iphoneのコードくらいの太さで認識できる視覚情報肉眼では見落とすような細い血管を凝固止血し、無血で手術を進めることが可能です。ロボット手術の出血量は驚くほど少なく、子宮全摘術の平均出血量は、開腹術で300g前後ですが、ロボット手術では30g前後であり、実に1/10にまで減少します。これ1つとっても、人間の目の限界を超えたロボット手術が、いかに緻密で正確な手術なのかがお分かりいただけると思います。

  • 3緻密な手の動きを再現

    術者の手の動きと全く同じ動きを、ロボット鉗子が再現します。さらに、コントローラーを5㎝動かしても、鉗子は1㎝しか動きません。つまり鉗子は人間の手の5倍、細かい動きができるのです。
    また、鉗子には関節があるので、可動範囲が広く、手の限界を超えた動きが可能で、手ブレすることもありません。細い針穴に正確に糸を通したり、一円玉サイズの折り紙で、鶴を折ることも容易に可能です。裸眼と手では米粒に字を書くことはできませんが、ロボットを使えば米粒に正確に「千船」と漢字で書くことができます。手術というのは非常に細かい手技の連続ですから、人間の手の限界を超えたロボットの動きは驚くほど有用です。

ロボット手術の実績

当科のロボット手術の実績は、2021年度のロボット子宮全摘術(良性)は97例で、国内有数の実績を誇り、関西全域より多くの患者様をご紹介いただいています。

ロボット手術認定医・指導医

4名の術者認定、2名は国内B級ライセンスを保持し、うち1名はダヴィンチ手術指導医:プロクター(全国で35名のみ)の資格を有しています。

  • 吉田 茂樹

    1990年 神戸大学医学部卒業

    資格

    • -日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医
    • -日本内視鏡外科学会 技術認定医
    • -ロボット(da Vinci)手術認定医
    • -日本ロボット外科学会(JROBO)専門医
  • 村越 誉

    1996年 神戸大学医学部卒業

    資格

    • -日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医
    • -日本内視鏡外科学会 技術認定医
    • -ロボット(da Vinci)手術認定医
    • -日本ロボット外科学会(JROBO)専門医
  • 大木 規義

    1998年 神戸大学医学部卒業

    資格

    • -日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医
    • -日本内視鏡外科学会 技術認定医
    • -ロボット(da Vinci)手術認定医
    • -日本ロボット外科学会(JROBO)専門医
    • -日本婦人科ロボット手術学会 プロクター指導医
    • -2017年 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医試験 武内賞受賞
    • -2018-2019 The Best Doctors in Japan
    • -2020-2021 The Best Doctors in Japan
    • -2022-2023 The Best Doctors in Japan
  • 稲垣 美恵子

    1997年 筑波大学医学部卒業

    資格

    • -日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医
    • -日本内視鏡外科学会 技術認定医
    • -ロボット(da Vinci)手術認定医

ロボット手術認定臨床工学技士

ダビンチシステムの認定臨床工学技士1名を含むロボット手術チームを構成しています。

  • 沖田 新一

    資格ダビンチシステム認定臨床工学技士

婦人科ロボット手術外来診療体制

時間 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
午前 ○(大木)
午後 ○(大木)

午前診は9:00~12:00 / 午後診は14:00~16:00
診察は手術支援ロボット「da Vinci」術者認定医師が行います。
診察は予約制です。初診の方でも事前にご予約いただけます。

当院で実施可能な疾患と術式

疾患名 術式
良性子宮疾患
子宮筋腫、子宮内膜症、
子宮腺筋症、子宮頸部異形成、
子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ等
子宮全摘術

※腫瘍の大きさや広がりにより実施できない場合もあります。

入院から退院まで

(子宮筋腫等の良性子宮疾患のとき)※病状により異なることもあります。

入院(手術前日) ・14時頃の入院
・病棟の案内
・麻酔科医の診察
・入院期間の流れの説明
・22時以降飲食禁止
手術当日 手術着の着用
・9時頃手術室へ入室
・点滴・尿道バルーンカテーテル留置・腹腔内ドレーン留置
・一般病棟または集中治療室へ帰室
手術後1日目 ・術後採血
・点滴抜去・尿道バルーンカテーテル抜去・腹腔内ドレーン抜去
・歩行開始
・経口摂取開始
手術後3-6日目 ・退院 (病状や家庭環境により退院日が異なります。)

公的医療保険による費用

年齢による自己負担の割合

70歳未満 3割
70歳~75歳 2割/3割
75歳以上 1割/3割

※平成26年3月以前に70歳を迎えた方は経過措置として、例外はありますが1割負担。

高額療養費による自己負担額

手術費を含む入院費がとても高額なるときは、3割負担の方でも自己負担額を軽減する制度があります。自己負担限度額は、治療を受けた方の年齢と所得水準に応じて異なり、下記の計算式により求められます。また自己負担限度額は、月単位で算出されます。

高額療養費の手続きは入院案内で聞くことができます

手続きの方法は2つあります。

1
高額な治療が予定されるときは、あらかじめ「限度額適用認定証」という書類を公的医療保険からもらっておき、病院へ提示します。この方法では、窓口負担が自己負担限度額だけになります。
2
一旦窓口で立て替え払いをしてから、後で公的医療保険に高額療養費分を請求する方法です。この方法だと一旦窓口で高額な支払いをすることなります。立て替えた高額療養費が戻ってくるのに3カ月以上かかることになってしまうため①を選択することを推奨します。

69歳以下の方

所得区分 1か月の負担の上限額(世帯ごと) 実際の自己負担額(月ごと)
年収約1160万円~
(標準報酬月額83万円以上)
25万2600円+
(医療費-84万2000円)×1%
25万3000円~26万円
年収約770万円~約1160万円
(標準報酬月額53万円~79万円)
16万7400円+
(医療費-55万8000円)×1%
17万円~17万5000円
年収約370万円~約770万円
(標準報酬月額28万円~50万円)
8万100円+
(医療費-26万7000円)×1%
8万5000円~9万円
~年収約370万円
(標準報酬月額26万円以下)
5万7600円 5万7600円
住民税非課税 3万5400円 3万5400円

高額療養費を活用する方法

婦人科ロボット手術の入院費は約100万円かかり、高額療養費の制度を利用しなければ、3割負担の方でも約30万円必要です。
治療にかかった費用の総額が100万円、69歳以下・「標準報酬月額28~50万円」のとき高額療養費の制度を活用すれば、下記のようなお支払いになります。
※月ごとになります。

自己負担額の計算式の1例 8万100円+(医療費100万円-26万7000円)×1%=8万7430円

電話予約センター(平日9:00~17:00)

フリーダイヤル

0120-279-025

(スマートフォン・携帯不可)

スマートフォン・携帯の方

06-6471-9025

紹介状をお持ちの方は、千船病院1F紹介初診受付カウンター7番窓口までお訪ね下さい。