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診療部 ― 婦人科

子宮内膜症の治療

子宮内膜症の治療

子宮内膜症は、月経のある女性の10人に1人に存在すると言われています。 子宮の内側にある子宮内膜が子宮の内側以外の場所(子宮筋層、子宮と直腸の間のダグラス窩、卵巣など)で発生し、周りの臓器と炎症や癒着を形成しながら増殖する病気です。卵巣に出来た場合チョコレート嚢胞と呼び、子宮筋層に出来た場合は子宮腺筋症と呼びます。

原因は月経血が卵管を通っておなかの中に逆流し留まる(月経血逆流説)ことや、内臓を包む膜(腹膜)が何らかの原因で子宮内膜に変化し内膜症になること(体腔上皮化生説)が考えられています。

症状

月経痛が知られていますが、慢性骨盤痛・性交痛・腰痛・排便痛・月経の量の増加などもあります。進行すると「月経の間は仕事や家事が出来ない、学校にいけない」 「痛み止めを飲んでもあまり効かない」などの重い症状となります。 また、骨盤の中に内膜症による癒着ができることで不妊症の原因となり、原因不明の不妊症の患者さんの50%に子宮内膜症が存在すると言われています。

治療方法

一般的に内診・超音波・骨盤MRIやCT・腫瘍マーカーなどを用いて行います。

薬物療法

  • 痛みを和らげる対症療法 : 軽い段階の場合鎮痛剤や漢方薬などで様子を見ることができます。進行の可能性がある病気ですので、定期的な受診は必要です。

  • ホルモン療法:痛みを和らげるだけでなく、病気の進行を抑えることができます。手術後の再発予防にも使用されます。

手術療法

チョコレート嚢胞が6cm以上となった場合は破裂の可能性が高まり、また40歳以上の患者さんでは嚢胞が小さくても卵巣がんに変化する可能性がありま す。これらの場合は手術療法を選択します。子宮腺筋症で薬物療法では症状が抑えられない場合も手術療法を選択することが多いです。 また、妊娠を希望している患者さんで内膜症のために自然妊娠が期待できない場合には手術を行うことがあります。

  • 開腹手術と腹腔鏡下手術

    子宮内膜症の手術には開腹手術と腹腔鏡下手術があり、当院ではどちらも行っています。子宮内膜症の手術の多くが腹腔鏡下手術で行われるようになっています。各患者さんの病状にあわせベストな方法を提案しています。 腹腔鏡下手術は痛みが少ない・日常生活への復帰が早い・傷が小さい・手術による癒着が少ないなどのメリットがあります。

  • 病変の部位による手術方法

    チョコレート嚢胞
    卵巣に発生した嚢胞の中身だけを摘出し卵巣を温存する方法と、卵巣を含めてすべて摘出する方法があります。

    子宮腺筋症
    腺筋症を部位だけを取り除く核出法と子宮を全摘する方法がありますが、症状を緩和するための最も有効な方法は子宮全摘術です。

    腹膜病変
    おなかの中に散らばっている内膜症病変を取り除いたり、電気メスで焼灼したりします。

    深部子宮内膜症
    子宮と直腸の間のダグラス窩とその周りの深い部分にまで及ぶ病変です。腸管や尿管など周りの臓器との癒着をはがしたり、巻き込まれている臓器の再建をすることがあります。高度なテクニックを必要とする手術となります。 当院では深部子宮内膜症の手術を外科や泌尿器科など他科と連携して行っています。

    希少部位子宮内膜症
    直腸、尿管、胸膜、膀胱などに発生した子宮内膜症です。手術する場合には病変の切除だけでなく再建が必要となることがあります。