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診療部 ― 泌尿器科

排尿障害の治療について

排尿障害の治療について

排尿障害にはさまざまな原因があります。
男性であれば前立腺肥大症が代表的で、女性なら過活動膀胱が挙げられます。
しかし、高血圧症や高脂血症、糖尿病などメタボリックシンドロームに関わる疾患から膀胱の機能障害を生じていることも多くみられます。外傷による脊髄神経障害・末梢神経障害、脳血管疾患による膀胱機能障害なども含まれます。
排尿の回数が多くて困っていても、排尿がしにくくて困っていても、急に我慢ができなくなったりしても、まずは診察お受けください。そのうえで適した治療を提供させていただきます。

前立腺肥大症の治療について

検査方法

直腸指診

肛門から指を挿入し前立腺を直接触れる検査です。大きさ、硬さや表面の状態をみます。

超音波断層法(エコー診断)

下腹部に超音波の機械をあてるだけで前立腺を観察することができます。膀胱に尿が貯まっていると、よりはっきりと前立腺の大きさを観察することができます。また排尿直後に膀胱に尿が残っているかを見ます。

尿流量測定

機械に向かって排尿するだけで尿の勢いを調べることができます。最大尿流量が10ml/秒以下になると要注意です。

治療方法

薬物療法と手術療法があります。前立腺肥大症の病期が第1期であれば薬物療法が可能ですが、第2期に入り排尿障害が増強し残尿が増えてくると手術療法が必要となります。従来から最も多く行われている治療法は経尿道的前立腺切除術(尿道から内視鏡を挿入し電気メスで前立腺を削り出す方法)で、最近は開腹手術は全く行いません。近年、内視鏡下にレーザーで前立腺を切除する治療方法が行われるようになってきていますがまだ多くの施設には普及はしていません。前立腺肥大症は40歳ぐらいから始まっており、50歳ですでに大きな前立腺の方もおられます。症状や前立腺肥大の程度によってそれぞれ治療法が異なってきます。前立腺肥大症の治療中は、常に前立腺がんの有無にも注意しなければなりません。定期的に前立腺腫瘍マーカー(PSA:血液検査)調べることも必要です。
前立腺肥大症に関してご心配されていることやわからないことがありましたらお気軽にご相談ください。

千船病院泌尿器科では現在300人ぐらいの前立腺肥大症の患者さまを診察しています。

過活動膀胱の治療について

過活動膀胱とは、蓄尿症状の特に尿意切迫感(急に排尿がしたくなり我慢ができない感覚)を必須とした症状で「頻尿および夜間頻尿を伴う尿意切迫感」とされていて、症状が重たければ、旅行、付き合い、睡眠、精神的苦痛(抑うつ状態、不眠)、パッド、尿のにおい、性生活など多くの関連症状があります。
排尿障害にかかわる間接的な事柄をふくめて全体を見据えながら考え、蓄尿症状だけでなく、排尿症状の程度も把握しておく必要があります。まず症状の相談から始めましょう。

検査方法

尿検査、超音波検査、尿流量測定、残尿測定など

治療方法

経口薬の内服治療が主になります。
難治性の場合には、手術治療を含めた新たな治療方法が保険適応となっています。

神経因性膀胱の治療について